スバル・アルシオーネ SVX

(前サイトの再掲です<(_ _)>)

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この車とは赴任先のスバルディーラーで出会いました。私はまだ独り者で、新車が出るとまめに試乗していたからでしょうか・・・富士重工の本社から新人研修に来ていたそのセールスマンが、「これ(下取りに出ていたSVX)を買うのはこいつしかいない」と考えた判断は的確でした。お恥ずかしい話ですが、私は試乗したその日に購入を決めてしまったのです・・・

その時点で乗っていたレガシイ RS type RAは、コーナリングを楽しんでいるような、アドレナリンが出ているときは至福の時間をもたらせてくれましたが、例えば長距離の移動のように、疲れずに移動したいときなどはくつろげないと感じてきたのです(人間とは勝手なものです)。今思えば、「アドレナリンが出て欲しくないとき」用の車を中古で安く買い足した方が良かったのかもしれませんが、そういう冷静な判断をSVXはさせてはくれませんでした。

この車は長距離が楽だろうなと走ってすぐに感じました。3300cc水平対向6気筒は、2000ccターボと比べると穣な加速をもたらせてくれました。水平対向エンジンは振動の面でかなり有利であり、エンジンマウントのブッシュ(ゴムのようなもの)がかなり硬いものが使えるそうです。そこに低重心であることが加わり、車の前の部分で重いもの(エンジン)が中でぐらぐらしにくいため、ハンドルを切り始めたときの感じが他の車とちょっと違うのです。同じスバルのレガシイに乗っていたため、これに慣れていたわけですが、SVXも同じ「におい」がしました。これは波長が合うとでも言うのでしょうか、なんともしっくりくるのです。

アルシオーネSVXはバブルの頃に開発されました。デザインはジウジアーロ氏によるものですが生産モデルがスケッチに近い事を驚いたという話は有名です。ジウジアーロ氏は言うまでもないかもしれませんが、トヨタ・アリスト(初代)、ニッサン・マーチ(初代)、アウディ80等を担当しています。これは自分も知らなかったのですが、アルファ・スッドも描いていたんですね。このアルファ・スッドについては別に書きますが、スッドを描いた人が後にトップ・オブ・スバルを描いたんですね・・・

“500 miles a day”がこの車のコピーでした。一日に約900km・・・それはやった事はありませんが、弟の披露宴に出席するため、吹雪の上信越道を走って日本をほぼ横断した時はこの車の本領が発揮されました。トルク・スプリット4WDによって悪天候でもロングツアラーの資質は失われません。むしろ相対的に高まります(SVXメーリングリストの中には豪雨の中フェラーリを振り切ったと書いている人がいました・・・)。
志賀高原の熊の湯で横浜ナンバーのPジェロが登れなくなっていた横をけっこう普通に上がったこともあります(まあ、これはタイヤでしょうけど・・・)。

この車のハイウェイ・クルーザーとしての資質の高さのせいで、一度痛い目にあいました・・・一番疲れない速さでメーターを見ないで流すように走ると、前に乗っていたレガシイ RS type RAと比べると30km/hは速くなってしまうのです・・・
そのときも「日本横断中」だったのですが、その覆面にはドラマに出てくるような若手とベテランの二人が乗っていました。若い方が、「何でそんなにスピード出すんだ」と言ってきたのですが、おもわず「気が付いたらそのスピードだった。」と答えてしまい、若い方が「ふざけるな!」(まあ、怒られてもしかたありません)。すると、ベテランの方が「まあまあ」と止めてきて・・・(セリフもドラマと同じなんだ・・・)ちなみにその後は、四捨五入すると10万円になってしまう面接料を国庫に入れて、裁判官とさしで世間話をする貴重な体験をさせていただきました・・・
これが自分だけと思いきや、弟のレパード・J・フェリーと一週間ほど交換したとき(兄弟そろって訳の分からない車に乗って、と父親は嘆いていたようです・・・)、弟も関越で「バシャッと何か光った」と言い出しました(コラコラ)。大丈夫だよ君のJ・フェリーもいろは坂で猿達の遊び道具になっていたから・・・

前述したSVXのメーリングリストでは故障の報告が多く見られましたが、私のSVXはトラブルフリーでした。日本海側(初めて行った時、ナビの画面の上の方に見慣れない青い線が出てきて、びっくりしました→海がないところを走るのがほとんどでしたし、北側に海というのは初めてだったので・・・)の豪雪も2シーズン耐えました。いったい彼は何回雪に埋まったのか・・・。ただ、その街のガソリンスタンドでちょっときれいな娘に、「どこの国の車なんですか?」と聞かれて、思わず「フランスのシトロエンだよ。」と答えてしまいました・・・日頃、「日本にはスバルがある」と言っておきながら「なんでやねん」と言われそうですが、シトロエンXMと同じジウジアーロ・デザインだからいいのです・・・(XMはベルトーネでした。お詫びして訂正いたします。)

この車と生活していくうちに、めぼしい新型車が発表されると試乗に行くそのペースが落ちていきました。次はこれにしようと思えるような車と前より出会えなくなってきたのです。試乗後にSVXにのると、「やっぱりこれはいい。」ということが続きました。
二人目の子供が出来て、今はホンダのストリームに乗っています。どうせスバルを離れるなら、もう一つの日本の宝、VTECに一度乗ってみようというのが理由でした。でも、乗ってみるとけっこう「波長が合う」のでした。これについては、また改めて・・・

SVXを離れたからなのか、最近になって感銘を受けた車と出会い始めました。ホンダ・レジェンドプジョー407です。ホンダのSH-AWD、プジョーの乗り心地とハンドリングの高いレベルでの両立は、今後のそれぞれのブランドでの展開が期待されます。
また、これはまだ乗っていませんが、レクサスのGSは写真ではシルバーが多くピンと来なかったのですが、濃い色の実車は、デザインだけで「これはいい」と思えた、最近では数少ないケースとなりました。
スバルも水平対向6気筒を積むトップ・オブ・スバル(B9トライベッカー)がアメリカで走り始めています。

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